あなたが海外旅行などに行く場合、いつ生理が始まるか不安な為、
生理を早めるためのピルを飲もうと思うが・・・・
そのピルはどういう理屈で生理が早まるのか?
飲んでいる間は体がどういう状態なのか?
もし妊娠していた場合、ピルを飲んだらどうなるのでしょう?
なんだかいろいろと不安にあなたも感じますね。
まず、生理というのは、生理が単独であるのではなく、
排卵があって妊娠しなかった結果として排卵から約2週間後に不要になった
子宮内膜が剥がれて体外に出るものだということは、
あなたもご存知ですね。
生理が始まり排卵が起こり、また生理が来る。
簡単なようでいて、しかしそこにはちょっと複雑な仕組みがあります。
生理・排卵・・・というと、
あたかも「お腹の中」だけで成立しているように思われるかもしれませんが、
それをコントロールしている司令塔は実は脳にあります。
自然の状態では生理が始まると同時に次の排卵への準備がスタートします。
どのようなことかと言うと、
脳が性腺刺激ホルモンを分泌して卵巣に働きかけを始めることです。
脳が次の排卵に向けて卵巣に働きかけを始めるには、
生理が始まる=黄体ホルモンと卵胞ホルモンの値が
急に下がることがきっかけとなります。
すると卵巣では次に排卵するはずの卵胞を含む卵胞群が目覚めるとともに
卵胞ホルモンがまた少しずつ分泌し始め、
卵胞ホルモンが子宮内膜を少しずつ厚くして行きます。
卵巣からの卵胞ホルモンがまだまだ少ないうちは、
脳が卵胞を育てるホルモンをどんどん分泌し続けます。
排卵5日前くらいには主席卵胞が一つに絞られ、排卵直前に卵胞は成熟し、
卵胞ホルモン分泌がピークを迎えます。
それを察知した脳はそこで卵胞を育てるホルモンの分泌を
ストップする代わりに、
今度は成熟した卵胞を弾けさせて排卵させるホルモンを分泌する
と約36時間後に排卵します。
排卵すると今度は黄体ホルモンが分泌され、
子宮内膜を受精卵が着床しやすいものに整え約2週間保ちます。
着床が成立しなければ黄体ホルモンの寿命は尽きて排卵から
約2週間後に子宮内膜は剥がれて生理が始まります。
そして、ピルの成分ですが、
ピルの成分は卵胞ホルモン+黄体ホルモンです。
これを生理が始まって5日以内に服用開始すると、
実際にはまだ次の排卵のために準備が始まったばかりで
ほんの少ししか卵胞ホルモンは分泌されていない時期なのに、
ピルによって体には大量の卵胞ホルモンが入ります。
そうすると、
脳は「卵胞ホルモンが大量にある=成熟した卵胞が既にある」と
騙されて、卵胞を育てるホルモンを分泌しなくなります。
それで次の排卵を抑制することができるのです。
また、子宮内膜にはピルの中の黄体ホルモンが働いて
排卵後と同じような状態にします。
そしてピルを飲み終えて体から黄体ホルモンがなくなってしまうと、
あたかも排卵後に分泌されていた黄体ホルモンが寿命を終えて
分泌されなくなった時と同じように、
子宮内膜が剥がれて出血が起きるわけです。
つまり、
ピルは脳と子宮内膜を騙す=排卵を抑制し飲み終わった後に生理を起こす、
そういう作用をするわけです。
何かむずかしいようですけど、こういう理屈になります。
それから、「生理を変える」には二通りあります。
あなたが思っている通り、生理を早める場合と遅らせる場合ですね。
早めるためには、排卵を起こさずにさっさと内膜を剥がしてしまうように、
生理が始まったら5日目以内に飲み始めなければいけません。
それ以上服用開始が遅くなると、すでに次の排卵への準備が整いつつあるので
排卵にブレーキをかけることができなくなります。
また、生理を遅らせるには、生理が来ては困る期間をずっと飲み続けます。
ですから、飲み始めの時期には既に排卵の準備が整っていたり
排卵後だったりもするのです。
要は飲み始める時期の問題なのですが、
中には、ソフィアAを生理5日目から12日間飲んだのに、
14日目に排卵して29日目に普通に生理が来たという方もおられますが、
こういうことが起こるのは0.1%くらいだそうで、
「ピルの避妊失敗率」と同じですが、
普通は排卵しません。
また、妊娠の可能性がある場合は、
妊娠検査薬を試してからにしましょう。
陽性なら中止、
陰性なら妊娠していないか、
妊娠していても陽性が出るには時期が早すぎるだけだとしても、
その時期ならピルは飲んでも大丈夫です。
そして、ピルを飲み始めた翌日から体温の上昇は、上がって普通です。
いつでも誰でもそうとは限りませんが、
これは排卵翌日からすぐに高温になる人もいれば、
排卵後も黄体ホルモンは出ているのに体温上昇に時間がかかる人もいますし、
また周期によっても違ったりもするのと同じことです。
あなたも安心してくださいね。